DATE:2022-11-04 15:52:50 | CATEGORY:垂井の庭師さん
みなさまこんにちは。髙木です。
剪定の内容でブログを書くのはもしかして初めてかも。
少しマニアックな、剪定のおはなし。
シマトネリコ。
良い木ですよね。シマトネリコの良いところ。
・自然樹形でふわっとした形
・洋風の家に合う樹木
・白い綿のような花が咲く
・虫がつきにくい
・病気になりにくい
・性質が非常に強健
・常緑樹なので落葉樹のように一気に落葉しない
・値段がリーズナブル
シマトネリコの悪いところ。
・強すぎる。(成長が早すぎる)
といったところでしょうか。
成長が止まってくれればすごく良い木なんですけどね。
10年ほど前に1.5m位の株立ちのシマトネリコを植えて、建物の2階位まで大きくなってしまって、何とかしてほしいというご依頼が非常に多いです。
そして、この木の不思議なところ。
剪定をすると成長スイッチが入り、反発して元気になってしまうんですよね。
こちらのシマトネリコは、前年軽めに剪定をしました。やはり反発して鬱蒼としています。
一般的な剪定の考え方の剪定をすると、伸びた分バッサリ剪定をすることになるので、次年度はさらに大反発するというスパイラルに入っていきます。
みなさまは栄養成長と生殖成長という言葉と、頂芽優勢という言葉を知っているでしょうか。
バッサリと剪定をすることで、シマトネリコは「子孫をつくっている場合ではない!もっと大きくならねば!」となって、強い芽を出します。花、実を付けるのはその後だ。
これが栄養成長状態です。
逆にシマトネリコの生殖成長状態とは。
花、実を付けるために成長している状態です。そのエネルギーを花や実をつくる為に使うので、枝は余り伸びません。
シマトネリコの限っての事ではないですが、生殖成長状態の木は、大人しくて個人的には好きです。
ではどうやって生殖成長状態に持っていくのか。
少し脱線して、剪定を語ると・・・。
剪定の基本
1、アウトライン(樹形)
2、濃さ
3、良い枝の線をつくる
この1,2,3の順番に重要度があります。
1、アウトライン
樹形のきれいなラインが出ているか
職人用語でいう「飛び」が出ていないか
モミジなどの枝の線で魅せる木はセンス。
2、濃さ
葉の重なり、量によって鬱蒼とします。
どこから見せたいのか、何を見せたいのかによって、濃さは変わります。
京都の技法「透かし」はこの濃淡の感覚が絶妙です。
庭師の勘どころというやつです。
3、良い枝の線をつくる
プロの世界では一番重要視されるところです。
生け花のように、究極の美は「引き算」と考えると、剪定は引き算で、線による構成の美しさこそが、究極だと考えます。(個人的な意見です)
植物本来のきれいな線を、いかに描いていくか。
3年後、5年後の枝の線がイメージできないと、切れません。
「何故この枝を残したのか」という先人の意図(メッセージ)を読み取る。
職人の世界は奥が深くて面白いもんです。
この3つを常に意識しておくとGOODです。
そしてこのシマトネリコは、2の、濃さに大きく問題があります。
解決策は・・・葉の量を減らすために、葉をむしる
ということですね。
ハサミは一回も使っていません。葉むしり。
通常剪定の10倍位、手間が掛かりました・・・。
来年どうなっているかな。
頂芽優勢についてはまた今度。